随意随想

「青春とは…」

NPO法人JMCA理事長 羽間 鋭雄

「野菜サラダが主食の生活は継続中です。筑波大学での検査も順調、もう一つの体力のバロメーターにしているスキーも、今シーズンは、今までを凌ぐほど快調に楽しめています。ただ、古稀を迎える歳となった今、感動やときめきの心が日々薄れていくことに、『青春とは、若き肉体の中にあるのではなく、若き精神の中にこそある…』というサムエル ウルマンの言葉を噛み締めるこのごろです。」

これは、私の今年の年賀状の一節です。

人一倍人の老化の過程に関心を持っている私は、折りある毎に、先輩たちに対して、「加齢による衰えをはっきり感じるのは、およそ何歳頃だったか?」という問いかけを繰り返してきました。もちろん人によって違いはありますが、「70歳頃から…」という答えが一番多いように感じています。

そして、今年、まさにその70歳を迎える私は、日常の実感でも、体力年齢40歳代前半をずーっと維持している測定値でも、ここのところ体力面ではほとんど老いの兆しはなく、後数年は、2〜3kmのダウンヒルを一気に滑り降りることができるのではないかと密かに思っています。

しかし、年賀状に記したように、随所で心の若さが失せていくことを感じる中、ふと、「青春とは」の一節を思い出し、改めてその全文を噛み締めるように読みながら、深い感動を覚えました。

皆さんにも、ぜひ、今一度、「青春」を取り戻していただきたく、サムエル ウルマンの「青春とは」(新井満訳)の全文を紹介いたします。

『青春とは』

青春とは 真の 青春とは
若き 肉体の中に あるのではなく
若き 精神のなかにこそ ある
薔薇色の頬 真赤な唇 しなやかな身体
そういうものは たいした問題ではない
問題にすべきは つよい意思
ゆたかな想像力 もえあがる情熱
そういうものが あるか ないか
こんこんと湧きでる 泉のように
あなたの精神は 今日も新鮮だろうか
いきいきしているだろうか
臆病な精神のなかに 青春は ない
大いなる愛のために発揮される
勇気と冒険心のなかにこそ 青春は ある
臆病な二十歳がいる 既にして 老人
勇気ある六十歳がいる 青春のまっただ中
歳を重ねただけで 人は老いない
夢を失ったとき はじめて老いる
歳月は 皮膚にしわを刻むが
情熱を失ったとき 精神は
しわだらけになる
苦悩 恐怖 自己嫌悪
それらは 精神をしぼませ
ごみくずに変えてしまう
誰にとっても大切なもの
それは 感動する心
次に何が起こるのだろうと 眼を輝かせる
子供のような好奇心
胸をときめかせ
未知の人生に 挑戦する 喜び
さあ 眼をとじて 想いうかべてみよう
あなたの心のなかにある 無線基地
青空高くそびえ立つ
たくさんの 光輝くアンテナ
アンテナは 受信するだろう
偉大な人々からのメッセージ
崇高な大自然からのメッセージ
世界がどんなに美しく
驚きにみちているか
生きることが どんなに素晴らしいか
勇気と希望 ほほえみを忘れず
いのちのメッセージを
受信しつづけるかぎり
あなたはいつまでも 青年
だが もしもあなたの
心のアンテナが 倒れ
雪のように冷たい皮肉と
氷のように頑固な失望に
おおわれるならば
たとえ二十歳であったとしても
あなたは立派な 老人
あなたの心のアンテナが
今日も空高くそびえ立ち
いのちのメッセージを
受信しつづけるかぎり
たとえ八十歳であったとしても
あなたはつねに 青春
青春とは 真の 青春とは
若き 肉体のなかに あるのではなく
若き 精神のなかにこそ ある

如何でしたか?少しは青春のアンテナの感度が高まったでしょうか?

でも、やはり私たちの命は「心身一如」です。常に不健康で、薬や医者に頼っていては、心に青春を保つことは難しいに違いありません。健康にとって悪いといわれることを避けて、毎日、「腹八分目」と「適度な運動」を実践する――私は、これだけで十分健康に生きられると思っています。

あなたは、「健康にとって悪いといわれることを避ける」ことが難しいのですか?

「腹八分目」と「適度な運動」が難しいのですか?

どちらもできなければ、健康に生きることは難しいですねぇ〜!

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